昨年(2013年)の12月に東京大学で行われましたシンポジウム「これからの建築理論:槇文彦×磯崎新×原広司」の模様を収録した書籍『T_ADS TEXTS 01 これからの建築理論』が出版されました。

シンポジウム開催から1年以上が経ってしまいましたが、御三方への後日単独インタビュー、それぞれの事務所などで働かれていた建築家の方々(大野秀敏氏、青木淳氏、小嶋一浩氏)によるエッセイなどを追加し、シンポジウムの議論をより深く、多面的に考えられる内容になっています。

本書には、先立って行われたもう一つのシンポジウム「プロジェクション&レセプション:ジェフリー・キプニス×シルヴィア・レイヴィン×ジェシー・ライザー×梅本奈々子(司会:ブレット・スティール)」における討議と後日インタビューも収録されています。これらを合わせて読まれると、日本と海外における議論の位置関係(ズレと共通性)を感じることができ、さらに多面的に建築を考える助けになると思われます。たとえば、シルヴィア・レイヴィン(UCLA)の現代日本建築の解釈が原広司氏の話に近づいているように思われることなど、その関係に糸口が潜んでいるように思われます。

「建築理論」というと何か小難しいように思われるかもしれませんが、せまい意味での建築にとどまらず、都市、社会、人間、技術などのこれからを考える上で手掛かりとなることを目指しています。何度読んでも味の出る一冊と自負しておりますので、ぜひご覧ください。

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