ここでは、木内俊彦の博士論文「カルロ・スカルパによる建築作品に見られる空間変移のデザインに関する研究」(東京大学、2013年)の内容をわかりやすく伝えるとともに、そこで提示した〈変移空間〉という概念についてさらに考察することを目的としています。

このページではまず、本論文と要旨、そして分析結果といえる〈カルロ・スカルパの建築作品に見られる空間変移のデザインパターン一覧〉(表1.1、本論文内のものと同じです)を公開します。

〈デザインパターン一覧〉は、これがすべてであると主張するものではありません。それぞれが個別的だとも思われるスカルパのデザイン手法が整理できるということが主旨であり、これをベースにして新たなパターンが発見されれば望ましいと考えます(事実、そのように後から追加されたパターンもあります)。

本論文は、あくまで建築家カルロ・スカルパ(1906-1978)の建築作品に関する論文ですが、その主旨を理解するためには、「いったい何の意味があるのか?」という率直な疑問にこたえられるような一般化した説明が必要ではないかと考え、別ページで試みています(スカルパ空間論_1〜5)。本論文を読まれる前に、あるいは、ざっと目を通していただいた後にこれらを読んでいただき、〈変移空間〉の意味や可能性を少しでも感じてもらえればと思います。

 

本論文(PDF)
ファイルサイズの都合から、以下のように分割いたします。

[序]+[第1章]仮説
[第2章]分析1
[第3章]分析2(前半)
[第3章]分析2(後半)
[第4章]結論と展望 +[参考文献][図版出典]

なお、わかりやすくするために、提出論文から以下の3カ所を修正しています。
[35頁]カルロ・スカルパの建築作品に見られる空間変移のデザインパターン(表1.1)のうち[D2a.並列フレーミング]の図中に補足を追記
[36-49頁]レイアウト(文章の変更は無し)
[366-369頁]参考文献と図版出典

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– スカルパ空間論_0 : WEB公開資料
– スカルパ空間論_1 : 研究の経緯
– スカルパ空間論_2 : WEB公開の目的・スカルパの「凄さ」
– スカルパ空間論_3 : 空間変移とは何か・空間変移パターンの二系列《群と穴》
– スカルパ空間論_4 : 「時間がデザインできる」根拠(試論)
– スカルパ空間論_5 : 〈変移空間論〉の展望